さなぎ長文

けいば 妄言

1ようこそ競馬場のイデアへ(東京競馬場)ー僕は鉄火場で虚無をする

いつか、競馬場に行きたかった。
 その方向性を中継を見ていて強めつつ。でも勇気が出ない。
 それはたとえば治安が悪いのでは?とか混みすぎているのでは?ということもあるかもしれない。前者に関しては今になっては府中から富士見に至るまで辟易したことはなく(いや、全く治安が悪くないとは場所によっては言えない。しかしうわーやべー帰ろう ってなったことはない)後者に関してはまあそういう日にはあまり行かないからな・・・・。とにかく勇気が出ない。でもいつかは行きたい!という心を木村カエラのHolidayをぶん流してテンションを上げながら南武線にぶち込んだ。
 

だいたいこの画角でとりあえず撮ることがおおい なんという奥行き感

 
 初めてたどり着いた競馬場。それは府中本町駅から名馬たちの写真に彩られた通路を通って数分後、見上げてその空の広さと芝の広さと場所の広さに圧倒された東京競馬場。レース中らしくアナウンサーの朗々とした声が響き渡っている。そしてなにかが地面を踏みならす音が聞こえる。どこだコースは。ああこの白いさくの向こうか。そして僕はコースの方を見て思わず独り言をこぼしてしまった。
「馬が・・・ 馬が走っている・・・・」
 そう
 走っているのだ。馬が。

そりゃあ競馬場だもの馬は走るよ


 初めて現地に来たのでそれぐらいのマイクロ語彙力は許してほしい。何もかも自分にとって初めてなことだったから何もかもが鮮烈だった。人々はマークシートや新聞を握り、時に罵声をあげ時に喜び、そして時においしそうにご飯を食べ、鳴り響く券売機の音やアナウンスの音に包まれて、まるでショッピングモールのような華美なフロアを行き交って。そして・・・・
 広い
 広すぎる。
 東京競馬場はどこまで歩いても東京競馬場である。

 

ひろいでかい



 そんな感じだから、パドックというものに着くまでも一苦労で、中継なら一瞬でパドックまで切り替わるのに、じっさいはえっさほっさ歩かなければならない。にじむ膝痛、喜ぶ歩数計アプリ。
 パドックで馬を実際に見るのも初めてで、つややかな毛色を持つよく手入れされたサラブレッドたちが、おしごとする厩務員さんに連れられて、かっぽかっぽと歩く様はまるで美しさの回転寿司である。それを見て、みんなが競馬新聞やらに印をつけるのをみるのも面白い。僕はわからない。わからないなりにどの馬がつよいのかなと思ったりする。

 

つややか


どの馬も美しいしかわいいしかっこいい。そんな馬たちが、あるときはいななき、あるときは厩務員さんに甘える(ような仕草を)見せ、あるときはうんこをし、またあるときは前のひとのうんこをふむ(これ踏む馬とよける馬がいるよね 僕が馬なら避けられずに踏みたくなくても踏んでると思う。前のひとのうんこ。)それをぼーっとみている。それがなんだかすごく虚無で、虚無ってこれは僕が使う言葉なんだけれどもなんだかなにもないような何も満ち足りているようなそんな感じのことを僕は虚無って言います。

  

 馬券の話をします。その日は宝塚記念の裏開催の府中であった、調べたところこの週が府中開催の最終週らしい。じゃあ行かなきゃ。そう言うのもあってがんばって勇気を出していったのだ。だから僕がまず先にやったのはヴィヴロスの単勝を買うことだった。だって福永さんが乗ってるしね!!まああのときは馬券の買い方も知らないからほかに応援してる馬も併せてダービーと同じように3頭の単勝500円ずつにしたのだけれど。その一頭がまさかウマ娘になっている。

 

サトノダイヤモンドは引けてません



 
 ジョッキー という人間たちを生で見ることができたのもその日が初めてのことだった。
 当然府中のクソデカパドックから我々たちには距離があるので、その人たちが本当に低身長だというのはわからない。ただみなみな切れたナイフみたいに精悍な顔つきで、色とりどりの勝負服に身を包み、鞭を持っていた。繰り返すけど、みなみな素敵な人だった。横顔も、手綱や鞭を持つ姿も、ジョッキーという人たちは驚くほどに華やかだ。

 そりゃあ限界まで痩せててシュッとしてれば、すべての登場人物はだいたい魅惑的だ。

 その中でもやはり、一番自分が見てかっこよかったのが福永さんだった。もちろん福永さんは阪神にいるから、ビジョンでしか見れなかった。優しそうな目やシュッとした顔と、玄人じみた所作を見るとドキドキした。いつか生で見たいなー と思ったりしていた。その話はおいおい書きます。そしてなぜ”最初に”と言ったかの話もおいおい書きます。

 

あらためてでかい すべてが広大で恐ろしくなるほどだと思う。

 東京競馬場はなにもかも規模が大きくて、何もかもが揃っていて、その大きさに圧倒されつつ、「まず、これが競馬場です」という大きなイデアを私に植え付けてくれました。その後にいろいろな競馬場、いや公営競技場に行って、多様な風景を見るのだけれど、そして完全に沼にはまっていくんだけれど。

 

 

 ~ふれあい~

私が府中で一番好きなスポッツ


 

 付属施設やグルメ 表彰台のことは別件で写真多めにして書くことにします。まず東京競馬場のふれあいやローズガーデンから。ローズガーデンというところはまさに四季折々の花や噴水があってまるで貴族の庭です。映えます。あと乗馬センターというところの外で割と近くで見れる馬ちゃんたちが居て昔はサクセスブロッケンに挨拶してたりしました。
 一定の時間になるとセンターの中で馬ちゃんに触れたりしましたね、あとホースショーとかもあって幸せ無限大です。

  

素敵な光景


ただ注意してくださいここはクソデカ競馬場、いったんこのセンター側に行くとおそらく1レース、滞在時間が長いと2レース分の馬券が買えないと思う・・・そう・・・・。

 

 ~ひょうしょう~

 

ファッサ〜

  府中はウィナーズサークル(ひょうしょう)の場所が結構わかりやすいところにあるしわりとちょくちょくくちとりが行われるのでメットオフのジョッキーさんやうろうろする勝った馬ちゃんが見れます。そりゃあG1レースのときはぎゅうぎゅうですが平場だったらゆるっと見れたはずです。コロナ鍋が終わったらサインとかもわりともらえるんじゃないですかね。でも人混みを押したりするのはだめ絶対!

 

 ~おごはん~

どまあに

 数多のサイトやTwitterでいろんな情報があるので主観的な情報しか乗せませんがさなぎ一押しはドマーニです。ドマーニの普通のスパゲッティです。
 これはまず準備があって、競馬場に行く前日の夜から準備します。要するに夜の時点であまりご飯を食べないでおきます。おかずだけでもいいかもしれません。このとき晩酌を普通通りにすると二日酔いになるのでやめましょう。朝起きましたら朝ご飯を食べないでください。絶対に食べないでください。そして12時ぐらいに府中に着くようにしましょう。たぶんおなかすいてふらふらだと思います。なんとかしてドマーニの前にたどり着いてください。そして実況を薄れる意識の中で聞きながらドマーニにかぶりついてください。ドマーニはボリュームたっぷりで、歩きがんばった全身に炭水化物とチーズが染み渡り・・・勝つでしょ???必勝しちゃうでしょ?

 え・・・?おかしいかな・・・そうかな・・・そうかも・・・・


 なにもかもが新鮮だった東京競馬場。そこから4年。今の私は「これメイン終わったあたりで戻ってバス乗れば多摩川何Rぐらいに間に合うかなー」と思っています。元気です。

かすうどんもいいよね