さなぎ長文

けいば 妄言

1ようこそ競馬場のイデアへ(東京競馬場)ー僕は鉄火場で虚無をする

いつか、競馬場に行きたかった。 その方向性を中継を見ていて強めつつ。でも勇気が出ない。 それはたとえば治安が悪いのでは?とか混みすぎているのでは?ということもあるかもしれない。前者に関しては今になっては府中から富士見に至るまで辟易したことは…

0白球と馬券とぬまー僕は鉄火場で虚無をする

すべてのはじまり もし僕が東京ドームの23番入り口からの巨人対ヤクルトのチケットを買わなかったらば僕はどういう趣味を新たに見つけてどうなってしまったのだろうか。それとも新しい趣味を見つけずにネットゲームや野球観戦をし続けていたのだろうか。そ…

まえがきー僕は鉄火場で虚無をする

おだやか 数年前から公営競技の観戦と投票を趣味にして僕はどれだけの思い出を作ったのだろう。幾度の情景と数多のレースを見て聞いて今僕はここに居る。すべてはやがて虚無になり、あと僕は不器用だから虚無を考えることしかできない。 やがてやがてはすべ…

博才を持たない私と僕の巡礼の盛岡

荘厳に響くチャグチャグ馬コの鈴の音を耳にして私は背筋を伸ばした。とうとうここまできてしまった。自分とて世間とて最も美しいジョッキー、御神本騎手を追いかけて盛岡まできてしまったのだと。しかしてそれは、夜闇の中南部杯の旗のはためく向こう、岩手…

うがい、手洗い、ブラストワンピース

誰か馬を応援したいという時はだいたいその馬を一旦擬人化してその様子を妄想して応援してしまうのだから、正当な競馬ファンからはその様子は変な目で見られても当然ではある。結局私は本当に好きなものごとを応援するときは、だいたい自分の中にそのものご…

倶利伽羅峠を超えて

夕闇の倶利伽羅峠を超えて私は金沢に行くのだけれど、なぜ金沢にいくのですかと言われたらそれはおそらく吉原騎手を応援するためで、いや寿司を食べに行くためかな、それともあの雲に覆われてもなにか朗らかな日本海の街に行くためなのかなと思いながら目を…

夕闇に吹け 菱柄の北風

夜と昼の境目は大井競馬場に落ちている。すべての色彩が感応し合い、そしては青い暗さに満たされていくのだ。 その夕闇の中で、はにかんで、いろんな表情をして、それで快活にしゃべって、けらけらして、ああ、御神本さんが出ないレースは、この人を撮ればい…

萩へと益田へと至る道

羽田空港の滑走路から山口空港行きの機体が私とほか数名を連れて無理やりな角度で飛び出した時、私はなんで急に萩、益田に行くことになったのだろうと思ってしまった。思ってしまったからには後悔などはありますかと言われたらどちらかというと後悔ではなく…

小説、御神本騎手について。

東京の浜松町と羽田空港の奥座敷までを結ぶモノレールを東京モノレールという。がたがたうるさいがわりと速い。 それに揺られながら、私は思うのだ。私は今何ページ目を開こうとしているのだろうと。 小説御神本騎手という本は何ページで構成されていて、わ…

ダービージョッキーに会いに新潟まで行った話

新潟の空に消えそうになる福永さんに手を伸ばそうとして でも私にはあまりにも新潟の空は広すぎて何もできなかった 目の前を蹄の音を立てて風のように過ぎ去っていったふくながさんをずっと見ていて、まるで涼しかった新潟の空にそのまま駆け上がってしまい…